不動産投資の枕営業?公務員はデート商法など過度の勧誘に気をつけたい

今時枕営業なんて…、そう思われる方が多いと思います。
ところが実際は、男女の関係を利用して契約をさせるような、不動産投資に関わる枕営業・デート商法は後を絶ちません。
国民生活センターなど公的機関も注意喚起を続けています。

枕営業と不動産投資

枕営業とは、辞書的には「販売員などが、契約成立の交換条件として顧客と性的関係を結ぶこと」をいいます。

枕営業は倫理的に問題視されはしますが、法的に規制されにくい行為です。
当事者の関係が、利益を引き出す目的のものだったか恋愛感情に基づいたものかを外見から区別することは難しく、枕営業を持ち掛けた側が恋愛感情に基づくものであったと主張すれば、それを否定することは困難だからです。

また、枕営業を持ち掛ける側のコストは小さくないものの、それを上回る利益を得られることが多く、狭い意味での経済合理的な好意でもあります。

枕営業は、表立ってできるというものではありませんが、決してなくなるものでもないのです。

不動産投資における枕営業

不動産投資においても枕営業はないわけではありません。

不動産業界の給料は歩合制が占める割合が多いのが普通で、契約を取ればそれだけ手取りが増えるようになっています。
営業に力を入れている会社では歩合の割合は大きく、強いインセンティブとなっています。
利益がコストを上回れば、多少強引な営業をすることもあるでしょう。

中には枕営業をする人も出てこないとは限らないのです。

不動産投資での枕営業は割に合わない

ただ、不動産投資での枕営業は、持ち掛ける側も受ける側も、割に合わないことが多くなっています。

枕営業を持ち掛ける側は割に合わない

不動産投資で枕営業を持ち掛けた側が割に合うことは多くありません。

枕営業を会社が公認することはあり得ず、問題になれば個人の責任となります。
最悪の場合、懲戒解雇される危険もあります。

また、契約が取れれば手取りが増えはしますが、利益の大部分は会社のもので、個人が受け取れる利益はほんの一部です。

リスクに見合った利益が受けられることは多くはなく、枕営業が合理的になることは多くはありません。

枕営業を受ける側も割に合わない

不動産投資で枕営業を受けた側が割に合うことも多くはありません。

枕営業を持ち掛ける側は、物件価格に自らの利益を乗せた価格で販売します。
もちろん、乗せた利益を明示することはありません。

枕営業を受ける側はその利益の分だけ割高な物件を購入することになります。
結局、枕営業にかかる対価を支払うことになるのですから、得をすることにはならないわけです。

また、枕営業は倫理的に表に出しにくく、不満があっても世間体を気にして泣き寝入りするケースが多くなっています。
枕営業を持ち掛けた側から文句を言うことはほとんどなく、枕営業を受けた側が文句を言わなければ問題が表面化することはありません。

割に合わないのに枕営業がなくならないのは

枕営業は割に合うものではないことがほとんどです。
それでも枕営業がなくならないのは、人間が合理的ではないからです。

営業成績がほしくて合理的な判断ができなくなった販売員が枕営業を持ち掛けます。
枕営業を受けた投資家が経済合理性ではなく、恋愛感情や性欲などに基づいて投資を決めます。

枕営業は人間の本能に近いところに基づくものなので、なくなることはないのです。

デート商法と不動産投資

デート商法とは、辞書的には「街頭や出会い系サイトなどで知り合った異性とデートを重ね、恋仲と思わせた頃合いをみて高価な商品をねだって買わせる悪質な商法」をいいます。
恋人商法と呼ばれることもあります。

詐欺罪に該当する部分はありますが、裁判上で騙すつもりがあったことを立証することは難しい悪質な商法です。
恋愛感情を利用したもので、男性のみならず女性も対象となることが多い特徴があります。

不動産投資におけるデート商法

デート商法では高価な商品が使われることがほとんどで、不動産を買わせるものも多くなっています。
買わされたのが不動産だった場合、法律による救済を受けることが難しいケースがあり、問題となっています。

民法による救済は困難

民法では意思決定にあたって、錯誤があった場合に契約を無効にしたり、詐欺や強迫があった場合に契約を取り消したりできることが定められています。
しかし、デート商法では錯誤があったり、詐欺や強迫があったりするとは限りません。
また、あったとしても、それを被害者側が立証しなければならないので、ハードルは極めて高くなります。

宅建業法のクーリングオフには条件がある

宅建業法にはクーリングオフの規定があり、契約を解除できることがあります。

ただし、このクーリングオフには次のような条件があり、適用されないことがあります。

  • 売主が宅建業者
  • 宅建業者の事務所等以外の場所で契約
  • クーリングオフの告知を受けてから8日を経過するまで
  • 買主が物件の引渡しを受けていない、または、その代金の一部を支払っていない

デート商法の場合、クーリングオフが使えないようにされてしまうので、結局クーリングオフでも救済されないことがほとんどです。

消費者契約法で救済されないことも

消費者契約法には、デート商法による契約を取り消すことができる条項があります(消費者契約法第4条第3項第4号)。

当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、当該消費者契約の締結について勧誘を行う者に対して恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ、当該勧誘を行う者も当該消費者に対して同様の感情を抱いているものと誤信していることを知りながら、これに乗じ、当該消費者契約を締結しなければ当該勧誘を行う者との関係が破綻することになる旨を告げること。

消費者契約法第4条第3項第4号

しかし、デート商法による契約だったからといって必ず取り消せるとは限りません。

  • 勧誘者に対して好意を抱き、かつ、勧誘者も好意を抱いていると誤信している原因が「社会生活上の経験が乏しいこと」
  • 契約を締結しなければ勧誘者との関係が破綻することになる旨を告げられたこと

を立証する必要があるからです。

裁判所がどのように判断するかはわかりませんが、デート商法だったからといって必ず契約を取り消せるわけではないのです。

公務員は枕営業やデート商法などに注意

枕営業は法的に規制されにくいものですが、倫理的には問題視されるものです。
持ち掛ける側も受ける側も、ばれてしまえば社会的な批判にさらされるでしょう。

デート商法は詐欺罪に該当する部分もあるものの、法律による救済が難しいものです。
また、日本では騙された方も悪いという風潮もあり、被害者側が批判にさらされることすらあります。

ただでさえ世間の批判にさらされる公務員は、被害者であると声を上げることさえ難しくなることもあるでしょう。

被害者が声を上げにくい社会の方がおかしい、そう考えるのは当然です。
被害者が非難されるような社会の方を変えていくべきなのかもしれません。

しかし、それはこれからの課題です。
現状で公務員個人ができることは、枕営業を受ける側になったり、デート商法の被害者にならないことです。
怪しい話には乗らないこと、特に性的な話には絶対に近づかないこと、それが身を守ることにつながります。

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